インフルエンザウイルスの感染で、高熱、鼻汁、咳、全身倦怠感などの症状が出ます。
Aソ連型、A香港型、B型のウイルスは毎年少しずつ変異し、流行を引き起こします。
●対象年齢
<積極的にお勧めする方>
65歳以上の高齢者
60〜65歳未満の心臓・肺・腎障害を持つ方
呼吸器系、心臓血管系などの持病のある方
医療従業者など

上記以外の方は任意
(生後6ヶ月から接種可能)

●回数
13歳未満の人、肺障害を持つ方は原則として3〜4週間の間隔をおいて2回の皮下注射をしますが、成人、高齢者は1回で効果があります。
10〜12月の流行期前に接種します。
他の接種とは1週間(6日間)以上あけてください。
13歳未満の人は2回目の接種から1週間(6日間)以上あけてください。
           
● ジフテリア(Diphtheria)
 ジフテリア菌の飛沫感染で起こります。
 感染すると、高熱、のどの痛み、犬が吠えるような咳、激しい嘔吐などが起こります。咽頭部の腫脹によって窒息死することもあります。また、発病から2〜3週間後には菌の出す毒素により心筋炎や神経麻痺を起こすことがあります。
 しかし、感染しても10%程度の人にしかこれらの症状が現れず、残りの人は症状が出ない不顕性感染のため、保菌者である自覚がないまま、菌だけをまき散らすこともあります。
● 百日せき(Pertussis)
 百日せき菌の飛沫感染で起こります。
 普通のカゼのような症状で始まり、咳がひどくなり、連続的に咳込むようになります。咳の後、急に息を吸い込むので、笛を吹くような音(レプリーゼ)が出るのが特徴で、高熱は出ません。乳幼児の場合は、咳で呼吸困難になることが多く、チアノーゼ(血中の酸素が欠乏して皮膚が青黒くなる症状)や、けいれんが起こることがあります。また、肺炎や脳炎などの重い症状を併発することがあります。
 この病気は成人でもかかることがあります。子どもと症状が違い、咳だけが主症状で1〜2ヶ月続きます。子どもにうつすことが時々ありますので、注意しましょう。
● 破傷風(Tetanus)
 土の中に潜んでいる破傷風菌が傷口から感染して起こります。自分でも気付かない程度の軽い傷が感染の原因になることもあります。菌の出す毒素の為、けいれんや口が開かないなどの症状が起こり、その後の処置が遅れると生命にかかわります。破傷風菌は日本中どこにでもいますが、予防接種で免疫をつくっておけば安心です。
【1期】
  対象年齢 回数
初回接種 生後3〜90ヶ月未満
(標準接種年齢:3〜12ヶ月未満)
3〜8週間間隔で3回の皮下注射
追加接種 生後3〜90ヶ月未満
(標準接種年齢:初回接種終了後1〜1年半の間)
1回の皮下注射

【2期】二種混合(DT)
●対象年齢
11、12歳
(標準接種年齢:11歳)

●回数
1回の皮下注射

※すでに百日せきにかかった方はDPTワクチンの定期接種は出来ませんので、医師と相談して任意で二種混合(DT)を受けましょう。
他の接種とは1週間(6日間)以上あけてください。
           
● 麻しん(はしか)
 麻しん(はしか)ウイルスの空気感染によって起こります。
 感染力が極めて強いウイルスで、発熱・咳・鼻汁・目やに・発疹を引き起こします。最初の3〜4日間で38度前後の熱が出て、一時熱はさがりますが、口腔内にはコプリック斑(口腔内粘膜疹)が出現、翌日には39〜40度の高熱と共に発疹が出てきます。高熱は3〜4日続いた後下がり、発疹も色素沈着を残し次第に消えていきます。
 主な合併症は、気管支炎、肺炎(100人中6人程度)、中耳炎(100人中10〜15人程度)、脳炎(2,000〜3,000人に1人程度)、亜急性硬化性全脳炎という遅発性の脳炎(10万人に2人)などがあります。
 また、麻しん患者の1万人に1人が亡くなるともいわれています。予防接種をすれば、合併症はほとんど起こりません。ぜひ予防接種を受けましょう。
● 風しん(三日はしか)
 風しんは感染者の咳やくしゃみなどで飛沫感染します。
 感染してから症状が出るまでの潜伏期間は2〜3週間。軽いカゼの症状から始まり、発熱、発疹、首のリンパ節が腫れるなどの症状が出ます。発疹も熱も2〜3日間で治ることから『三日はしか』とも呼ばれています。
 年少児のうちは心配するほどではありませんが、年長児や大人の場合は重症になることが多く、2〜3日では治りにくくなります。また、妊婦が妊娠初期にかかると、先天性風疹症候群といって多発奇形の赤ちゃんが産まれる可能性が高くなりますので、子どものうちに免疫をつくっておく必要があります。
【1期】
●対象年齢
生後12〜24ヶ月未満

●回数
1回の皮下注射

【2期】
●対象年齢
5〜7歳未満
小学校就学1年前から就学前日まで

●回数
1回の皮下注射

※これまでに、麻しんおよび風しんにかかったか、麻しんワクチンおよび風しんワクチンのどちらか片方の接種が出来なかった方も、麻しん・風しん混合ワクチンの予防接種を医師に相談の上、任意で接種を受けることが可能です。
他の接種とは4週間(27日間)以上あけてください。
           
 おたふくかぜ(流行性耳下腺炎・ムンプス)の主な症状は、耳の下、頬の後ろ側、あごの下などの耳下腺部または顎下腺部の腫れです。両側が腫れることが多いですが、片方だけのこともあります。合併症としてまれに髄膜炎や難聴を起こすことがあります。思春期および成人男子がかかると睾丸炎を起こすこともあります。
●対象年齢
1歳を過ぎたら、年齢と関係なく接種できます。3〜4歳ころが適当ですが、保育園・幼稚園等の集団生活に入る前がよいでしょう。

●回数
1回の皮下注射
他の接種とは4週間(27日間)以上あけてください。
           
 水痘・帯状疱疹ウイルスの感染で起こります。初感染では、発熱と共に全身に水疱性の発疹が出ます。水痘のウイルスは回復後も長く体内に持続感染する性質があり、なにかのきっかけで体の免疫機能が低下すると再活動し、帯状疱疹となって現れます。
  水痘は普通に子どもがかかったとき、合併症はまれですが、経過は軽い人から重い人(発疹が多い)まであります。ただし、白血病や悪性腫瘍、大量のステロイドホルモンを使用しているお子さんなどは免疫機能が低下しているため、症状が重くなります。
●対象年齢
1歳を過ぎたら、年齢と関係なく接種できます。2〜3歳ころが適当ですが、保育園・幼稚園等の集団生活に入る前がよいでしょう。

●回数
1回の皮下注射
他の接種とは4週間(27日間)以上あけてください。